売るために、自分を売り込まなくていい。|無言起業
凡人再起動ログ 全10話・完結

K.藍沢が、二度ゼロから立ち上がるまでの全記録。転んで、また立った、不格好な足跡の話だ。

転落① 転落② 上昇① 上昇②
二度の転落二度の上昇 2度目は、もっと深く。そして、もっと高く。
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順番は自由。気になった扉から、どうぞ。
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SNSを何ヶ月も頑張って、売上はゼロ。肝心の「商品」を後回しにしていませんか?

どうも。

SNSのプロフィールを書き直して、ヘッダー画像も整えて、毎日の投稿も続けている。少しずつフォロワーが増えてきて、発信にも慣れてきた。

でも、売上はまだ一円もありません。

こういうとき、「もっと発信を頑張らなきゃ」と考えたくなりますよね。投稿の書き方を調べたり、メルマガの始め方を勉強したり、うまくいっている人のプロフィールを見に行ったりします。

もちろん、どれも商売に関係する作業です。

ただ、自分のコンテンツを販売したいなら、一度だけ確かめてほしいことがあります。

今、あなたの発信を見て「この人から買ってみたい」と思った人は、何を買える状態になっていますか?

①明日フォロワーが増えたら、何を買ってもらいますか?

仮に、明日の投稿がたくさん読まれて、プロフィールを見に来る人が増えたとします。

比べる図。上に「寿司屋で考えると」。左の箱に「お皿や看板」と、点つきで「SNS・ブログ・メルマガ」「知ってもらい、届ける」、右の箱に「商品」と、点つきで「何を受け取れるか」「お金と交換する中身」(「中身」に金の線)

その人が読める自己紹介はあります。役立つ投稿も並んでいます。でも、買える商品はまだ用意されていません。

すると、興味を持ってもらえても、そこで終わってしまいます。

これ、寿司屋で考えると分かりやすいんですよね。

看板を作って、内装を整えて、綺麗なお皿も揃えました。お店の紹介を頑張ったので、お客さんも見に来てくれました。

ところが、「何を注文できますか?」と聞かれると、出せる寿司が一つもありません。

「もう少しお客さんが増えたら、寿司を作ろうと思っています」

と言われたら、ちょっと順番が気になりませんか。

自分のコンテンツを売る商売でも、同じことが起きます。

SNSやブログ、メルマガは、商品を知ってもらい、届けるための「お皿や看板」の役割を担います。そこで、何を受け取れるのかを説明し、お金と交換する約束をする。その中身が商品です。

だから、商品を一度も案内していない段階の売上ゼロを、自分の能力の評価にしてしまうのは早いんです。

まだ「あなたの商品は要らない」と言われたわけではありません。買うかどうかを考えてもらう機会を、用意していないんです。

ここまで整理すると、次にすることは見えてきます。

でも、商品を作る必要は前から分かっていた。それなのに、なぜ今日もプロフィールの修正から始めてしまうんですかね。

②「商品はもう少し先で」が、何ヶ月も続いてしまう理由

プロフィールの修正って、終えたことが分かりやすいんですよね。

思い込みと本当はの図。紺の地。上に「作業の決め方を見直す」。上の灰色の箱に×の印と打ち消し線つきの「いつか立派な商品を作る」、下向きの矢印、下の白い箱に○の印と「誰かの一つの作業を助けるものを作る」(「一つの作業」に金の線)

肩書きを変えました。画像を差し替えました。投稿を予約しました。今日も作業を進めた実感があります。

一方、商品を作ろうとすると、決めることが急に増えます。

誰の、どんな困りごとを扱うのか。どこまで説明するのか。何を渡したら完成なのか。そして、お金を払ってもらっていい内容なのか。

「これだけ?」と思われたら嫌ですし、時間をかけて作ったものに反応がなかったら、傷つきます。

もし、商品ファイルを開いた途端にこうした不安が出てきて、SNSの設定画面へ戻ってしまうなら、必要なのは発信の勉強をもう一つ増やすことではありません。まず、何が決まらずに止まっているのかを確かめたいんです。

僕は以前、自動車メーカーで設計をしていました。仕事では、問題を細かく分けたり、人に無理をさせる前に構造を見直したりしていました。今も、うまくいかないときは「もっと頑張らなければ」より先に、「そもそも、この仕組みは自分に合っているのか?」と考えます。

今回も、投稿を増やす前に、作業の決め方を見直せます。

「いつか立派な商品を作る」だけだと、今日何をすればいいか決まりません。「誰かの一つの作業を助けるものを作る」まで具体的にすれば、書き始める場所を選べます。

では、その「一つ」は、どこまで小さくしていいんでしょうか。

③最初の商品に、知っていることを全部入れる必要はありますか?

たとえば、「仕事を頼むメールを書くとき、説明が足りず、何度も質問が返ってきてしまう人」を助ける商品を考えてみます。ここからは、架空の商品案です。

要点の一覧の図。上に「作るものは三つ」。チェックの印つきで縦に3つ=「記入例」「空欄のひな形」「送信前の確認項目」

この人に向けて、いきなり「仕事のコミュニケーション完全講座」を作る必要はありません。

まずは、「初めて後輩に資料作りを頼むときの、依頼メールのひな形」まで絞れます。

ひな形には、次の内容を書ける欄を用意します。

  • 頼みたい作業
  • その資料を何に使うのか
  • 提出してほしいものの形
  • 締め切り
  • 参考にしてほしい資料
  • 途中で相談してほしいこと

ただ、空欄を並べただけだと、「何を書けばいいか分からない」が残りますよね。

そこで、記入済みの見本を一つ付けます。

たとえば、「来週の会議用の資料をお願いします」だけだった依頼を、「何を比較する資料なのか」「どの形式で提出するのか」「いつまでに必要なのか」まで書いたメールに直して見せます。

さらに、送る前に確認する項目も付けます。「締め切りが書いてあるか」「相手が作るものを具体的に示したか」といった項目です。

これで、作るものは三つに決まります。

記入例、空欄のひな形、送信前の確認項目。

「仕事のコミュニケーションについて何か作る」より、手を動かしやすくなりますよね。

小さくするというのは、必要な説明を適当に削ることではありません。扱う作業を絞って、その作業に必要な説明を揃えることです。

ただ、ここで気になることがあります。

それくらいの内容なら、無料の投稿や、AIへの質問でも手に入りそうです。わざわざ商品にする意味はあるんでしょうか。

④「無料でも見つかる内容」に、お金を払う理由はありますか?

ある知識をまとめたからといって、それだけで買ってもらえるわけではありません。

順番の図。上に「作り手が確かめる仕事」。横に3段=1「自分でひな形を埋める」、2「足りない欄に例を足す」、3「手が止まった欄を聞く」(光らせた段)

先ほどの例でも、「依頼するときは締め切りを伝えましょう」という助言だけなら、無料の投稿で伝えられます。

商品として考えるなら、その人が実際にメールを書くところまで、何を手伝えるかを詰めたいんです。

記入例を読めば、自分の場合に何を書けばいいか分かるか。ひな形を埋めている途中で、説明の足りない欄はないか。確認項目を使えば、送る前に何を見るか選べるか。

ここに、作り手が確かめる仕事があります。

ページを増やす前に、一度、自分でひな形を埋めてみてください。「適切に書いてください」としか説明していない欄があったら、適切とはどんな状態なのか、例を足します。

誰かに使ってもらえるなら、「分かりやすかったですか?」だけで終えず、「どの欄で手が止まりましたか?」と聞いてみます。

褒めてもらえたかどうかより、次に直す場所が分かる答えを集めたいんです。

逆に、足りない気がするたびに動画を追加し、特典を増やし、関係の薄い解説まで付け始めると、いつまでも完成しません。受け取る人にも、どこから使えばいいか探す手間が増えます。

完成の基準は、「たくさん作ったから安心」ではなく、具体的に置けます。

  • 誰の、どの作業に使うものか説明できる
  • 使い方と、使い終わった状態の見本がある
  • 説明が足りずに止まる箇所を、分かる範囲で直している

ここまで作っても、売れるかどうかは別に確かめる必要があります。無料の情報や、普段使っているAIで十分だと考える人もいます。

だから、販売するときは見本を見せて、受け取れるものと扱わない範囲を説明します。そのうえで、提示した価格で買いたいかを考えてもらいます。

「何となく役立ちそうな情報」から、「自分のこの作業に使えるもの」へ、どこまで具体的にできるか。僕は、まずそこを詰めたいと思っています。

では、商品づくりに集中する間、SNSはどう使えばいいんでしょうか。

⑤商品ができるまで、SNSは止めていいんですか?

ここで、発信を全部止める必要はありません。

回る流れの図。真ん中に「一緒に整える」、そのまわりを矢印で回る4つ=「場面を説明する」「記入例を見せる」「疑問を見つける」「中身を見直す」

寿司を用意しても、お店の存在も、何を頼めるのかも知られていなければ、買ってもらう機会は増えません。お皿や看板にも、ちゃんと仕事があります。

見直したいのは、商品づくりと発信が別々の作業になっていることです。

先ほどの依頼メールの商品なら、投稿の題材も具体的になります。

「資料をお願いします、と頼んだあとに質問が何往復もするのは、何が抜けているからか」

「締め切りを書いたつもりでも、相手に伝わっていない依頼文の例」

「自分が書いたメールを送る前に、確認したいこと」

こうした内容なら、商品を必要とする場面を説明できます。記入例の一部を見せれば、どんなものを受け取れるのかも伝えられます。

投稿の反応から、新しく説明すべき疑問が見つかることもあります。その疑問が今回の商品で扱う作業に関係するなら、中身を見直す材料になります。

こうすると、発信するたびに商品づくりが遠のく状態から、発信と商品を一緒に整える進め方へ変えられます。

フォロワーが増えたかどうかに加えて、「何を渡す人なのか、伝わるようになったか」も確かめられるんです。

今日、またプロフィールを直したくなったら、その前に作業用のメモを開いて、次の一文を書いてみてください。

「このコンテンツは、〇〇で困っている人が、△△をするときに使うものです」

その下に、渡すものを具体的に書きます。ひな形なのか、記入例なのか、作業手順なのか。そして、そのうち一つを実際に作ってみます。

「もう少し知られてから」と待ち続ける間は、何を買ってもらうのかが決まりません。一つ作れば、中身を確かめ、見本を見せ、必要な人に案内する作業へ進めます。

綺麗なお皿は、もう用意できているかもしれません。

次は、そこにのせて人に渡せるものを、一つ作ってみましょう。

誰にも気づかれない夜の、君へ

AIに書けるものは、これから一番安くなる。
君の生き様は、これから一番、値がつく。

機能で消耗する時代は、静かに終わっていく。武器になるのは、何度もコケて、それでも続けてきた、君の生き方の方だ。それは作るものじゃない。もう、君の中に埋まっている。

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