どうも。
自分の知識をまとめて、商品にしようとする。ところが、値段をつけるところで手が止まってしまう。
「これ、検索すれば出てくる話だよな」
「本にもネットにも書いてあることで、お金を取っていいのかな」
「買った人から、こんなの無料で読めるじゃないかと言われたらどうしよう」
こういう引っかかりって、ありませんか。
自分しか知らない秘密があるわけではないし、まったく新しい理論を発明したわけでもない。知っていることを整理しただけなのに、お金を受け取るとなると、急に人を騙しているような気がしてくるんですよね。
では、ここで一つ考えてみたいんです。
「検索すれば10秒で見つかる情報を使った商品に、3,000円を払う」という仮のケースです。
同じ情報が無料で読めるなら、買う人は3,000円分、損をしていることになるんですかね。
それを確かめるには、検索したあとに、その人が何をしているのかを見る必要があります。
①10秒で記事が見つかったら、その人の用事も終わりますか?
例えば、初めてオンライン勉強会を開く人を考えてみます。

参加者は5〜10人。時間は60分。主催者は一人で、録画はしません。
この人が「オンライン勉強会 開き方」と検索して、開催方法の記事を10秒で見つけたとします。
でも、そこからすぐ準備を始められるとは限らないんですよね。
記事には、大人数への配信方法も、集客の話も、録画した動画を販売する話も書いてあります。別の記事を開くと、おすすめの方法が違います。
すると、知りたいことが増えてしまいます。
「自分の人数なら、どの方法で十分なんだろう」
「録画しない場合、どこを読み飛ばしていいんだろう」
「開催案内には、何を書けばいいんだろう」
記事は見つかりました。でも、自分の場合に必要なことを選ぶ作業は、まだ残っています。
しかも、初めての人は、その選び方がわかりません。
だから別の記事を開いて、さっきの説明と比べて、知らない言葉をまた検索します。調べている間は準備が進んでいる気になりますが、開催案内はまだ一行も書けていません。
ここで区別したいのは、情報が見つかることと、その情報を使って用事を済ませられることです。
無料で記事を読めても、読み比べること、必要な部分を選ぶこと、順番を決めることには、自分の時間と注意を使っています。
そこで、少人数の初回開催に必要な準備だけが整理されていて、案内文と進行表の見本まで入った商品がある。
この人が購入を考える理由は、そこに書かれた知識が世界初だからではありません。自分に残っていた準備の手間を減らせるからです。
ただ、それなら無料記事を集めてまとめれば、何でも商品になるんですかね。
そこには、もう一つ分かれ目があります。
②まとめたのに、買った人がまた調べるのはなぜですか?
例えば、先ほどの人に「オンライン開催のノウハウを網羅しました」という教材を渡すとします。

配信方法、機材、集客、録画、販売まで、たっぷり入っています。
作る側は頑張ったはずです。資料も読んだでしょうし、抜けがないように説明も足したでしょう。
でも、買った人が読み終えて、
「結局、僕の場合はどれを使えばいいんですか?」
となったら、選ぶ作業は買う人に残されたままです。
場合によっては、無料記事に加えて、その教材まで読むことになっています。
これでは、情報を増やした努力と、買う人にとっての助かり方が一致していません。
売り手が集めるのに苦労したことと、買い手の苦労が減ることは、別なんです。
ここを混同すると、作った時間やページ数で値段を正当化したくなってしまいます。
では、同じ材料をどう編集すればいいのか。
先ほどの人向けなら、大人数の配信や録画販売の説明を外して、開催前に決めることを順番に並べます。開催案内には何を書くか、当日は何を確認するか、終わったあとに何を連絡するかまで、見本で示します。
無料の記事を紹介する場合も、「この記事の、この部分を確認してください」と、使う箇所と理由を添えます。
買った人が、全部を読み比べて一から判断しなくて済むようにするわけです。
編集の価値は、情報を集めた量だけでは決まりません。
その人が読まなくていいもの、迷わなくていいことを、どこまで具体的に決められたか。
ここに、お金を払う理由を作れます。
ただし、必要な情報まで勝手に削られたら、買う側は困りますよね。手間を減らすことと、判断する自由を残すことは、どう両立させればいいんでしょう。
③選ぶ手間は減らしたい。でも、勝手に決められたくはないですよね
初めて主催する人が気にしているのは、調べる時間だけではありません。

参加者を待たせたくないし、当日になって準備不足がわかるのも嫌です。詳しい人に相談したくても、何を質問すればいいか整理できていないこともあります。
だから、
「あなたの場合は、まずこれを準備してください」
と示してもらえると助かります。
一方で、理由も条件もなく「これだけやれば大丈夫です」と言われたら、それはそれで不安になります。自分の予定に合っているか、確かめられないからです。
ここで必要なのが、おすすめと、そのおすすめが成り立つ条件を一緒に渡すことです。
先ほどの商品なら、「少人数・60分・主催者一人・録画なし」という条件を、最初に書きます。
録画の説明を外した理由も明確です。今回の開催では使わないからです。録画したい人は、この手順だけでは準備が足りないと判断できます。
これなら、買う人は細かい選択を減らしながら、自分に合うかどうかを確かめられます。
「状況に応じて、適切な方法を選びましょう」で終えると、その適切さを判断できない人は困ったままです。
反対に、条件を隠して一つの方法を押しつけても、使える商品にはなりません。
選ぶ手間を引き受けるなら、選んだ理由も見せる。そのうえで、条件が違う人には、別の確認が必要だと伝える。
これが、編集とフィルタリングを商品にするときの大事な仕事です。
そして、この仕事は、未知の知識を発明できる人だけのものではありません。
④新しい知識がない人は、何を商品にすればいいんですか?
「でも、自分が知っていることなんて、誰でも調べられるんですよ」

ここでまた、最初の悩みに戻りたくなると思います。
ただ、自分がすでに知っていることは、簡単に見えるんですよね。
どの記事を読めばいいかも、どの説明は今回は不要かも、どこで失敗しやすいかも、自分にはわかっています。
でも、初めての人は、その区別をするために調べています。
あなたが「こんなの当たり前」と思っている判断が、その人にはまだできないわけです。
だから商品を考えるときは、「自分が知っている情報を全部書く」から始めないほうがいいと思うんです。
次の順番で考えてみてください。
- 使う人の場面を一つ決めます。
「オンライン開催を学びたい人」では広すぎます。「少人数の勉強会を初めて一人で開き、開催案内を出そうとしている人」まで決めます。
- その人が迷う判断を書き出します。
何を先に決めるか。案内に何を入れるか。当日までに何を確認するか。知識の項目ではなく、作業中に出てくる疑問を並べます。
- 答えと条件をそろえます。
各疑問に、推奨する手順、そうする理由、条件が違う場合の確認先を添えます。操作や仕様など、自分でも曖昧な部分は一次資料で確かめます。
- 実際に使う見本を作ります。
開催案内の文面や、時刻を入れた進行表などです。読んで理解するところから、記入して準備するところまで進められるようにします。
資料を使うなら、転載の許諾や引用の条件を確認し、参照先も付けます。自分の説明、判断、手順を作ることが、ここでいう編集です。
こうして作ると、完成したものは単なる知識の寄せ集めから変わってきます。
特定の人が、特定の用事を済ませるために使うものになるんです。
僕自身、脱サラして間もない頃に、文章へ図解をつけたPDFを作ったことがあります。アフィリエイトで紹介した商品を買った人へ渡す特典でした。PDF単体を販売した話ではありませんが、作って紹介し、相手へ渡したことで、次のステージが見えて、いよいよビジネスが本格化してきたと感じたんです。
ただ、有料にするなら、作れたことから、もう一歩進めて確かめる必要があります。
相手の役に立つことと、その価格で買う理由があることも、同じではないからです。
⑤「助かる」と言われたら、3,000円で売っていい?
ここで、「時間を節約できるんだから、3,000円くらい安い」と決めつけないでほしいんです。

同じ手間でも、お金を払って省きたい人と、自分で調べたい人がいます。開催が来週に迫っている人と、半年先に向けて勉強している人でも、必要性は違います。
すでに同じ用途を十分に満たす無料の資料があるなら、それも比較対象です。無料の資料より何が助かるのかを、実物で示せなければ、買う理由は説明できません。
ですから、まず対象に近い人に、商品説明と見本を見てもらってください。
「わかりやすいですか?」だけで終えずに、
「これを使うなら、次に何を準備しますか?」
「まだ自分で調べ直さないといけないところは、どこですか?」
と聞いてみます。
説明は読めたのに、次の準備を決められないなら、手順や判断材料が足りません。すでに全部知っているなら、その人は今回の対象から外れるでしょう。
この確認だけで、3,000円で売れると証明できるわけではありません。ただ、文章を褒められたことと、用事を進めるのに使えたことを分けて見られます。
販売するときは、その判断を買う前にもできるようにします。
先ほどの商品なら、例えばこう書けます。
初めて、少人数のオンライン勉強会を一人で開催する人向けです。日程を決めるところから、終了後の連絡までの準備を扱います。開催案内と当日の進行表の見本が入っています。大人数への集客、有料販売、録画配信は扱いません。
さらに、中身の一部を見せます。
そうすれば、買う人は「自分で調べるか、これを使うか」を、内容と価格を見て選べます。
あなたが、相手に代わって「こんなものを買ったら損だ」と決める必要はありません。相手が選ぶために必要な材料を、正直に渡せばいいんです。
「無料で読める内容だから」という事実だけで、値段をつけることに罪悪感を持つ必要はありません。
その代わり、何を引き受けた商品なのかは、はっきりさせたいところです。
何を探さなくてよくなるのか。何を読み比べなくてよくなるのか。何を決めて、何から始められるのか。
そこを具体的に説明できるなら、価格には理由があります。
次に商品案を開いたら、情報を足す前に、一行だけ書いてみてください。
「これを買った人は、何を自分で調べたり、迷ったりしなくてよくなるのか?」
その答えを、手順と見本で確かめられる形にしてください。
検索すれば情報は見つかります。でも、自分の用事を終えるまでの手間も含めて、誰かに頼みたい人はいます。
その手間を引き受ける仕事まで、無料でなければいけない理由はないんです。






















