売るために、自分を売り込まなくていい。|無言起業
凡人再起動ログ 全10話・完結

K.藍沢が、二度ゼロから立ち上がるまでの全記録。転んで、また立った、不格好な足跡の話だ。

転落① 転落② 上昇① 上昇②
二度の転落二度の上昇 2度目は、もっと深く。そして、もっと高く。
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順番は自由。気になった扉から、どうぞ。
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「ググれば無料」の内容に、3,000円を払う理由はあるのか?

どうも。

自分の知識をまとめて、商品にしようとする。ところが、値段をつけるところで手が止まってしまう。

「これ、検索すれば出てくる話だよな」

「本にもネットにも書いてあることで、お金を取っていいのかな」

「買った人から、こんなの無料で読めるじゃないかと言われたらどうしよう」

こういう引っかかりって、ありませんか。

自分しか知らない秘密があるわけではないし、まったく新しい理論を発明したわけでもない。知っていることを整理しただけなのに、お金を受け取るとなると、急に人を騙しているような気がしてくるんですよね。

では、ここで一つ考えてみたいんです。

「検索すれば10秒で見つかる情報を使った商品に、3,000円を払う」という仮のケースです。

同じ情報が無料で読めるなら、買う人は3,000円分、損をしていることになるんですかね。

それを確かめるには、検索したあとに、その人が何をしているのかを見る必要があります。

①10秒で記事が見つかったら、その人の用事も終わりますか?

例えば、初めてオンライン勉強会を開く人を考えてみます。

「記事は見つかった。でも、選ぶ作業は残っている」の見出し。左に記事の紙と、チェックの印の入った虫眼鏡と「無料の記事」。真ん中に、ところどころ「?」の付いた開いた紙の山と、その上を渡る黄色の石「読み比べる」「必要な部分を選ぶ」「順番を決める」。右に旗の立った紙と「用事を済ませる」。下に「自分の時間と注意を使っている」

参加者は5〜10人。時間は60分。主催者は一人で、録画はしません。

この人が「オンライン勉強会 開き方」と検索して、開催方法の記事を10秒で見つけたとします。

でも、そこからすぐ準備を始められるとは限らないんですよね。

記事には、大人数への配信方法も、集客の話も、録画した動画を販売する話も書いてあります。別の記事を開くと、おすすめの方法が違います。

すると、知りたいことが増えてしまいます。

「自分の人数なら、どの方法で十分なんだろう」

「録画しない場合、どこを読み飛ばしていいんだろう」

「開催案内には、何を書けばいいんだろう」

記事は見つかりました。でも、自分の場合に必要なことを選ぶ作業は、まだ残っています。

しかも、初めての人は、その選び方がわかりません。

だから別の記事を開いて、さっきの説明と比べて、知らない言葉をまた検索します。調べている間は準備が進んでいる気になりますが、開催案内はまだ一行も書けていません。

ここで区別したいのは、情報が見つかることと、その情報を使って用事を済ませられることです。

無料で記事を読めても、読み比べること、必要な部分を選ぶこと、順番を決めることには、自分の時間と注意を使っています。

そこで、少人数の初回開催に必要な準備だけが整理されていて、案内文と進行表の見本まで入った商品がある。

この人が購入を考える理由は、そこに書かれた知識が世界初だからではありません。自分に残っていた準備の手間を減らせるからです。

ただ、それなら無料記事を集めてまとめれば、何でも商品になるんですかね。

そこには、もう一つ分かれ目があります。

②まとめたのに、買った人がまた調べるのはなぜですか?

例えば、先ほどの人に「オンライン開催のノウハウを網羅しました」という教材を渡すとします。

「読まなくていいものを決める」の見出し。左に付せんがたくさん付いた分厚いバインダー「網羅しました」と、吹き出し「結局、どれを使えばいいんですか?」。右に×の印が付いた灰色の札「大人数の配信」「録画販売」と、開いた冊子の中の黄色の行「開催前に決めることを順番に」

配信方法、機材、集客、録画、販売まで、たっぷり入っています。

作る側は頑張ったはずです。資料も読んだでしょうし、抜けがないように説明も足したでしょう。

でも、買った人が読み終えて、

「結局、僕の場合はどれを使えばいいんですか?」

となったら、選ぶ作業は買う人に残されたままです。

場合によっては、無料記事に加えて、その教材まで読むことになっています。

これでは、情報を増やした努力と、買う人にとっての助かり方が一致していません。

売り手が集めるのに苦労したことと、買い手の苦労が減ることは、別なんです。

ここを混同すると、作った時間やページ数で値段を正当化したくなってしまいます。

では、同じ材料をどう編集すればいいのか。

先ほどの人向けなら、大人数の配信や録画販売の説明を外して、開催前に決めることを順番に並べます。開催案内には何を書くか、当日は何を確認するか、終わったあとに何を連絡するかまで、見本で示します。

無料の記事を紹介する場合も、「この記事の、この部分を確認してください」と、使う箇所と理由を添えます。

買った人が、全部を読み比べて一から判断しなくて済むようにするわけです。

編集の価値は、情報を集めた量だけでは決まりません。

その人が読まなくていいもの、迷わなくていいことを、どこまで具体的に決められたか。

ここに、お金を払う理由を作れます。

ただし、必要な情報まで勝手に削られたら、買う側は困りますよね。手間を減らすことと、判断する自由を残すことは、どう両立させればいいんでしょう。

③選ぶ手間は減らしたい。でも、勝手に決められたくはないですよね

初めて主催する人が気にしているのは、調べる時間だけではありません。

「おすすめと、成り立つ条件を一緒に渡す」の見出し。分かれ道に立つ道しるべ。黄色の大きな矢印「あなたの場合は、まずこれ」と、その下に下がった札「少人数・主催者一人・録画なし」。柱の下のほうに灰色の札「条件が違う人は 別の確認が必要」。下に「選んだ理由も見せる」

参加者を待たせたくないし、当日になって準備不足がわかるのも嫌です。詳しい人に相談したくても、何を質問すればいいか整理できていないこともあります。

だから、

「あなたの場合は、まずこれを準備してください」

と示してもらえると助かります。

一方で、理由も条件もなく「これだけやれば大丈夫です」と言われたら、それはそれで不安になります。自分の予定に合っているか、確かめられないからです。

ここで必要なのが、おすすめと、そのおすすめが成り立つ条件を一緒に渡すことです。

先ほどの商品なら、「少人数・60分・主催者一人・録画なし」という条件を、最初に書きます。

録画の説明を外した理由も明確です。今回の開催では使わないからです。録画したい人は、この手順だけでは準備が足りないと判断できます。

これなら、買う人は細かい選択を減らしながら、自分に合うかどうかを確かめられます。

「状況に応じて、適切な方法を選びましょう」で終えると、その適切さを判断できない人は困ったままです。

反対に、条件を隠して一つの方法を押しつけても、使える商品にはなりません。

選ぶ手間を引き受けるなら、選んだ理由も見せる。そのうえで、条件が違う人には、別の確認が必要だと伝える。

これが、編集とフィルタリングを商品にするときの大事な仕事です。

そして、この仕事は、未知の知識を発明できる人だけのものではありません。

④新しい知識がない人は、何を商品にすればいいんですか?

「でも、自分が知っていることなんて、誰でも調べられるんですよ」

「知っている情報を全部書く、から始めない」の見出し。左下から右上へ上る階段の段に、下から「使う人の場面を一つ決める」「迷う判断を書き出す」「答えと条件をそろえる」「実際に使う見本を作る」。いちばん上の段は黄色で、見本の紙が立っている。階段の手前の左下に、散らばった紙の山

ここでまた、最初の悩みに戻りたくなると思います。

ただ、自分がすでに知っていることは、簡単に見えるんですよね。

どの記事を読めばいいかも、どの説明は今回は不要かも、どこで失敗しやすいかも、自分にはわかっています。

でも、初めての人は、その区別をするために調べています。

あなたが「こんなの当たり前」と思っている判断が、その人にはまだできないわけです。

だから商品を考えるときは、「自分が知っている情報を全部書く」から始めないほうがいいと思うんです。

次の順番で考えてみてください。

  1. 使う人の場面を一つ決めます。

「オンライン開催を学びたい人」では広すぎます。「少人数の勉強会を初めて一人で開き、開催案内を出そうとしている人」まで決めます。

  1. その人が迷う判断を書き出します。

何を先に決めるか。案内に何を入れるか。当日までに何を確認するか。知識の項目ではなく、作業中に出てくる疑問を並べます。

  1. 答えと条件をそろえます。

各疑問に、推奨する手順、そうする理由、条件が違う場合の確認先を添えます。操作や仕様など、自分でも曖昧な部分は一次資料で確かめます。

  1. 実際に使う見本を作ります。

開催案内の文面や、時刻を入れた進行表などです。読んで理解するところから、記入して準備するところまで進められるようにします。

資料を使うなら、転載の許諾や引用の条件を確認し、参照先も付けます。自分の説明、判断、手順を作ることが、ここでいう編集です。

こうして作ると、完成したものは単なる知識の寄せ集めから変わってきます。

特定の人が、特定の用事を済ませるために使うものになるんです。

僕自身、脱サラして間もない頃に、文章へ図解をつけたPDFを作ったことがあります。アフィリエイトで紹介した商品を買った人へ渡す特典でした。PDF単体を販売した話ではありませんが、作って紹介し、相手へ渡したことで、次のステージが見えて、いよいよビジネスが本格化してきたと感じたんです。

ただ、有料にするなら、作れたことから、もう一歩進めて確かめる必要があります。

相手の役に立つことと、その価格で買う理由があることも、同じではないからです。

⑤「助かる」と言われたら、3,000円で売っていい?

ここで、「時間を節約できるんだから、3,000円くらい安い」と決めつけないでほしいんです。

「相手が選べる材料を、正直に渡す」の見出し。上の段に二つに分かれる道。左は紙の束と虫眼鏡へ向かう「自分で調べる」、右は紙を通る「これを使う」、真ん中に「内容と価格を見て選ぶ」。下の段に黄色の枠のメモ「何を調べたり、迷ったり しなくてよくなるのか」

同じ手間でも、お金を払って省きたい人と、自分で調べたい人がいます。開催が来週に迫っている人と、半年先に向けて勉強している人でも、必要性は違います。

すでに同じ用途を十分に満たす無料の資料があるなら、それも比較対象です。無料の資料より何が助かるのかを、実物で示せなければ、買う理由は説明できません。

ですから、まず対象に近い人に、商品説明と見本を見てもらってください。

「わかりやすいですか?」だけで終えずに、

「これを使うなら、次に何を準備しますか?」

「まだ自分で調べ直さないといけないところは、どこですか?」

と聞いてみます。

説明は読めたのに、次の準備を決められないなら、手順や判断材料が足りません。すでに全部知っているなら、その人は今回の対象から外れるでしょう。

この確認だけで、3,000円で売れると証明できるわけではありません。ただ、文章を褒められたことと、用事を進めるのに使えたことを分けて見られます。

販売するときは、その判断を買う前にもできるようにします。

先ほどの商品なら、例えばこう書けます。

初めて、少人数のオンライン勉強会を一人で開催する人向けです。日程を決めるところから、終了後の連絡までの準備を扱います。開催案内と当日の進行表の見本が入っています。大人数への集客、有料販売、録画配信は扱いません。

さらに、中身の一部を見せます。

そうすれば、買う人は「自分で調べるか、これを使うか」を、内容と価格を見て選べます。

あなたが、相手に代わって「こんなものを買ったら損だ」と決める必要はありません。相手が選ぶために必要な材料を、正直に渡せばいいんです。

「無料で読める内容だから」という事実だけで、値段をつけることに罪悪感を持つ必要はありません。

その代わり、何を引き受けた商品なのかは、はっきりさせたいところです。

何を探さなくてよくなるのか。何を読み比べなくてよくなるのか。何を決めて、何から始められるのか。

そこを具体的に説明できるなら、価格には理由があります。

次に商品案を開いたら、情報を足す前に、一行だけ書いてみてください。

「これを買った人は、何を自分で調べたり、迷ったりしなくてよくなるのか?」

その答えを、手順と見本で確かめられる形にしてください。

検索すれば情報は見つかります。でも、自分の用事を終えるまでの手間も含めて、誰かに頼みたい人はいます。

その手間を引き受ける仕事まで、無料でなければいけない理由はないんです。

誰にも気づかれない夜の、君へ

AIに書けるものは、これから一番安くなる。
君の生き様は、これから一番、値がつく。

機能で消耗する時代は、静かに終わっていく。武器になるのは、何度もコケて、それでも続けてきた、君の生き方の方だ。それは作るものじゃない。もう、君の中に埋まっている。

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