ネットで何か売ってみようとすると、たいていは同じ順番で作ろうとすることになります。まずオプトイン商品——メールアドレスやLINEを教えてもらう代わりに無料で渡すもの——を用意する。次にフロントエンド、つまり一番はじめに買ってもらう、値段の低い商品をひとつ作る。そこから、もっと値段の高いものへ広げていく。
理屈としては、おかしなところがありません。小さいものは早く作れますし、外したときの傷も浅い。僕だって何も知らないうちにこう説明されたら、なるほどと言ってその順で取りかかると思います。
で、そのフロントエンドで手が止まる人が多いんじゃないかと思います。作り方が分からないからではなくて、中に何を入れればいいかが決まらないからだと思うんです。
フロントエンドの中身は、バックエンドが決まってから絞れる
オプトイン商品もフロントエンドも、役どころは途中の一段です。受け取った人がその先へ進むためのもので、そこが目的地ではありません。
その先にあるのがバックエンドです。値段が高くて、人数を絞って、相手と長く深く関わるもの。コミュニティや塾の形になることが多いやつですね。
そのバックエンドが決まっていないうちは、フロントエンドに何を入れればいいのかも決まりにくいと思うんです。バックエンドまで来てほしい相手に、どこまで見せておけば足りるのか。その比べる先を、自分がまだ持っていないので。
| 段 | これは何か | 作る順 |
|---|---|---|
| バックエンド | 値段が高くて、人数を絞って、相手と長く深く関わるもの | 1 |
| フロントエンド | 一番はじめに買ってもらう、値段の低い商品 | 2 |
| オプトイン商品 | メールアドレスやLINEを教えてもらう代わりに無料で渡すもの | 2(フロントエンドに含む) |
| ミドルエンド | 通信講座くらいの商品。それまでの活動をまとめたもの | 3 |
献立を決めずにスーパーへ入ったときの感じに近いと思います。棚のものはどれもおいしそうで、どれも買えるのに、カゴに入れる決め手だけが無い。中身が決まらないのは、センスや経験の問題より先に、順番の問題なんじゃないかと僕は思っています。

作りやすい順と、決められる順は、別のものです
多くの人が手をつけるのは、たいてい作りやすい順です。軽いもの、短いもの、安いものから始める。僕は逆の順でいいと思っていて、というより、バックエンドを先に決めて、作って出すのもそこから始めるくらいで、ちょうどいいんじゃないかと思っています。
軽いもの、短いもの、安いものから始める。
バックエンドを先に決めて、作って出すのもそこから始める。
ここで一つだけ、混ぜないでほしいことがあります。バックエンドから始めるというのは、誰にも知られていない状態でいきなり売りつけろ、という意味ではありません。先に固めるのは、中身と、それを誰に向けるか。押しの強さの話ではないんですね。
誰に、どこまで関わりたいのか
バックエンドを、どんな人に手に取ってほしいのか。その人と、どのあたりまで一緒にやりたいのか。ここが決まると、フロントエンドに何を入れるかはかなり絞られます。バックエンドまで来てほしい人に向けてフロントエンドを置くわけですから、そこに何を入れればいいかの見当がつく。
まだ分からない、という段階なら、決め打ちしないで、これから相手にしようとしている分野のお客さんに訊くところから始めるのがいいと思います。改まった調査でなくていいんです。僕自身は、文章を書いて出して、返ってきた反応を見て次に何を書くか決める、というやり方をずっと続けていますが、訊くというのはそこからもう一歩で、こちらから先に手を伸ばすほうですね。
フロントエンドの役目は、稼ぐことじゃない
フロントエンドの役目について、もうひとつ。あれは、この人に任せていいかを相手が決めるための材料だと僕は考えています。存在の証明、という言い方をされることもあります。何をどこまでできる人なのか、どういう考え方の人なのか、言っていることが一貫しているのか。相手はそこを見ている。
しかも、その判断はたいていそこで済んでしまうと思うんです。ということは、フロントエンドの中身が薄いと先へは進まない。無料だから軽く作る、安いから軽く作る、というのが一番もったいないところで、これは相手の側から見ても損な話です。誰に任せるかを決める材料が薄ければ、決めようがないので。
バックエンドで見たことが、次のフロントエンドの中身になる
バックエンドで人と深く関わると、その人のところで実際に何が起きるのかが見えてきます。どこで進むのか、どこで詰まるのか、何を渡したときに動いたのか。それが、外へ向けて出すときの材料になる。
なのでバックエンドとフロントエンドは、行ったり来たりの関係になります。バックエンドで分かったことをフロントエンドに置き直す。置き直したフロントエンドから来た人と、またバックエンドで関わる。一度作って終わりの片道ではない、ということですね。
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1
バックエンドで関わる
その人のところで実際に何が起きるのかが見えてきます。どこで進むのか、どこで詰まるのか、何を渡したときに動いたのか。
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2
フロントエンドに置き直す
バックエンドで分かったことをフロントエンドに置き直す。
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3
またバックエンドで関わる
置き直したフロントエンドから来た人と、またバックエンドで関わる。
ミドルエンドはどうなるのか。通信講座くらいの商品です(ミドルエンドという呼び方が決まっているわけではないみたいですが、フロントエンドとバックエンドの中間にあたるもの、という意味で使っています)。あれは順番としてどうしても最後になります。それまでの活動を全部まとめたものになるので、まとめるもとになる活動のほうが先に無いと形にならない。集大成は、集大成にする材料が溜まってから初めて作れるものなんですよね。

向けたい相手の見当がついているなら、まだ何も持っていない段階でも、バックエンドを決めるところまでは今日始められます。作らなくても、出さなくてもできることです。誰に向けて、その人とどこまで関わりたいのか。書くのは紙に一行でもいいと思います。
僕がこれから用意しようとしているものも、この順で考えています。段階を分けて、どの段も通話なしで進める前提で組むつもりでいます。通話を外すのは方針でもありますし、電話が苦手だからでもあります。ただ、順番のほうは、そういう事情とは関係なくこの向きです。




















