The Alchemist's Laboratory ― 君が隠してきた失敗が、一番高く売れる。
凡人再起動ログ 全10話・完結

K.藍沢が、二度ゼロから立ち上がるまでの全記録。転んで、また立った、不格好な足跡の話だ。

転落① 転落② 上昇① 上昇②
二度の転落二度の上昇 2度目は、もっと深く。そして、もっと高く。
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ブログにアクセスが集まらない。どれだけ頑張れば、何がコツなのか

ブログのアクセスが、いつまでも増えない。毎日のように書いているのに、解析の数字はほとんど動かない。そういうこと、ないか。

そうなると、人はだいたい同じことを考える。「どれくらい頑張れば、これは報われるんだろう」。「何か、コツがあるんじゃないか」。僕も、まったく同じことを考えていた。

先に、いちばん大事なことだけ言っておく。アクセスが集まらないとき、足りないのは「頑張りの量」じゃない。たいていは、頑張る「方向」が少しズレているだけだ。

「もっと頑張れば」では、アクセスは増えない

アクセスが来ないとき、多くの人は三つの手で解決しようとする。もっと本数を増やす。もっと長い期間続ける。もっと新しいテクニックを探す。気づくと、全部「量」の話になっている。

でも、考えてみてほしい。もし量だけが答えなら、誰よりたくさん書いた人が必ず勝つことになる。現実は、そうなっていない。毎日更新しても伸びない人がいて、週に一本でも読まれる人がいる。

君も、夜中にもう1本書こうとして、ふと手が止まったことはないか。書いても書いても解析がゼロのまま、何度も画面をリロードした夜。あれは、サボっているんじゃない。むしろ逆だ。頑張りすぎて、間違った方向に全力で走り続けているだけなんだ。

そして多くの人が、ここで辞める。3ヶ月、記事10本くらいで。増えない数字を見て、「自分には才能がない」と結論を出してしまうからだ。

なぜ、量で殴っても誰も来ないのか

ひとつ、はっきり言っておきたいことがある。「とにかく毎日書け」「量をこなせば、いつか報われる」——そう煽る人を、僕はあまり信用していない。あれは時々、君の消耗を、自分の正しさの燃料に使っているだけだからだ。僕自身、その言葉を真に受けて何百記事も書いた側の人間だ。

量で伸びない本当の理由は、別のところにある。君がたぶん、「全員」に向けて書いているからだ。全員に向けた文章は、誰の顔も浮かんでいない。きれいにまとまっているのに、なぜか刺さらない。

一方で、検索する人はいつも、たった一人だ。一人で、一つの悩みを抱えて、スマホに言葉を打ち込む。その「一人の言葉」に当たっていない記事は、どれだけ数を増やしても、誰の検索にも引っかからない。

もうひとつ、厄介な癖がある。解析を1日に何度も開いて、増えない数字に一喜一憂すること。あれをやっている間、君の頭は無意識に「この数字を上げるには、どう書けばいいか」を考えはじめる。

つまり、たった一人にではなく、ぼんやりした大勢に向けて書く体質になっていく。数字を気にするほど、一人に当てられなくなる。皮肉な話だ。

そもそもアクセス数は、君の価値を測っていない。「今、何人に届いたか」という範囲を表示しているだけだ。それを自分の値打ちだと思い込むのは、他人が用意した目盛りで自分を採点するのと同じこと。

フォロワー数も、いいねの数も、通帳の残高も、形を変えた同じ目盛りだ。僕も、ずっとこれに縛られてきた側の人間だ。

コツは「広く」じゃない。「たった一人」に当てることだ

ここが核心

アクセスは、広く撒いて増やすものじゃない。たった一人に深く当てた時に、初めて動き出す。

「一人に絞ったら、読んでくれる人も減るんじゃないか」。そう思うかもしれない。でも、逆だ。

一人の悩みは、その人だけのものに見えて、たいていは同じ場所でつまずいた何百人と、同じ形をしている。だから一人に本気で当てた言葉は、その何百人の検索にも、ちゃんと当たる。「みんな」を狙った言葉だけが、誰にも当たらずに空を切る。

君は今、誰に向けて書いている? ここで「みんな」とか「副業したい人全般」みたいな答えしか出てこないなら、たぶんそれが、アクセスの来ない理由だ。輪郭のない相手に、言葉は届かない。

やることそのものは、複雑じゃない。具体的な一人を思い浮かべて、その人にだけ手紙を書くつもりで書く。順番にすると、こうなる。

  1. 1

    「たった一人」を顔が浮かぶまで決める

    「みんな」をやめる。昨日の自分でいい。年齢、職業、どんな場面で「ブログ アクセス 増えない」と検索したのか。紙に三行で書き出す。輪郭が曖昧なうちは、まだ書き始めない。

  2. 2

    その人の「生の言葉」をそのまま置く

    自分のきれいな要約語に直さない。検索窓の予測候補や、知恵袋で同じ悩みの人が使っている言い回しを拾って、タイトルと書き出しにそのまま置く。難しいSEO技術より、これが先だ。

  3. 3

    点で帰さず、次の一本へ繋ぐ

    来てくれた人を、その記事一本だけで帰さない。最後に「次に読むといい一本」を必ず置いて、点を線にする。一人の中で、記事が二本、三本と繋がっていく。

  4. 4

    数字で自分を裁かない

    見るのはアクセスの大小じゃなく、「今日、一人に届いたか」。落ち込む燃料を、来ない数字から、今日の小さな手応えに移す。

「どれくらい頑張ればいいのか」の答えは、期間でも本数でもない。この四つを、自分を責めずに続けられるか。それだけだ。期間で見限った人から、順に消えていく。

僕は300記事書いて、アクセスはゼロだった

こんなふうに「方向だ」と言っている僕も、これを、いちばん遠回りして学んだ。

2013年、書き始めた頃の話だ。3日かけた渾身の記事を、震える指で公開した。1時間後、解析はゼロ。次の日もゼロ。それでも書いて、気づけば300記事。

手元に残ったのは、数百円の収益と、誰にも読まれないタイトルがずらりと並んだ一覧だけだった。夜中まで叩き続けて、指の関節は熱を持つし、目はかすむ。それでも、数字は動かない。

書いた量と、届いた手応え
300記事ゼロ書き始め

量を増やした時じゃない。一人に当てた時に、線は動いた。

「才能ないんじゃないか。全部、無駄なんじゃないか」。広い砂漠の真ん中で、一人で叫んでいるみたいだった。あの画面のゼロは、今でも思い出すと胸の奥が冷たくなる。

今になって分かる。あの300記事がゼロだったのは、量が足りなかったからじゃない。一本も、たった一人の顔を思い浮かべて書いていなかったからだ。全部、「誰か」に向けた、誰にも当たらない文章だった。

流れが変わったのは、さらに記事を増やした時じゃない。「みんな」に書くのをやめて、昔の自分みたいに困っている一人に、その人の言葉で書きはじめた時だった。

次の一本は、誰の顔を思い浮かべて書く?

だから、君に渡したいのは新しいテクニックじゃない。一つの問いだ。

次に書く1記事、たった一人の顔を、はっきり思い浮かべられるか。その人が、どんな言葉で検索するか、君にはもう見えているか。

すぐに答えが出なくてもいい。僕だって、300記事分も遠回りして、やっと気づいたんだから。焦って本数を増やす前に、まずその一人を決めるところから、一緒に始めよう。量で殴るのをやめて、たった一人に深く当てにいく。その一本は、同じ夜を過ごしている誰かに、ちゃんと届く。

あわせて読むなら、この二本が地続きだ。一人に当てようとして「でも自分のコンテンツがしょぼい気がする」と手が止まるならその自信のなさの正体を、「そもそも何を書けばいいか」で迷うなら自分の強みの掘り方を読んでみてくれ。

よくある質問

Q. 結局、どれくらいの期間でアクセスは増えますか?

正直、期間で答えると嘘になる。3ヶ月で動き出す人もいれば、僕みたいに年単位かかる人もいる。期間より、「一人に当てる」が出来た記事から動き出す。日付で自分を見限らないこと。

Q. 毎日更新したほうがいいですか?

毎日書く体力があるなら、無駄にはならない。ただ、誰にも当たらない記事を毎日増やしても、読まれない記事が増えるだけだ。頻度を上げる前に、一本ごとに一人を狙えているかが先。

Q. SEOみたいな難しいテクニックは気にしなくていい?

細かい技術は、あとでいい。最初に効くのは、検索する人が実際に打ち込む「生の言葉」を、タイトルと最初の一文に置くこと。それだけで、当たる確率が変わる。

誰にも気づかれない夜の、君へ

AIに書けるものは、これから一番安くなる。
君の生き様は、これから一番、値がつく。

機能で消耗する時代は、静かに終わっていく。武器になるのは、何度もコケて、それでも続けてきた、君の生き方の方だ。それは作るものじゃない。もう、君の中に埋まっている。

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