どうも。
「興味のある分野はあるんです。でも、人に教えられるほどの実務経験がなくて」
コンテンツを作ろうとすると、ここで手が止まることがあります。
本を読んだ。調べものもした。自分なりに考えたこともあります。
でも、お金をいただくとなると、急に不安になるんですよね。
「その道で何年も働いた人じゃないとダメなんじゃないか」
「こんなの、詳しい人から見たら当たり前では?」
「まずは自分がプロにならないと」
その気持ちは分かります。買ってくれた人をがっかりさせたくないですから。
ただ、ここで一つ考えてみてほしいんです。
例えば、初めてオンライン勉強会を開く人が、案内文に何を書けばいいか分からずに困っていたとします。
その人に今、必要なのは何でしょうか。
運営歴の長い人の立派な経歴を読むことより、必要な項目を埋めれば案内文を作れるひな形のほうが、助かる場面もありますよね。
だとすると、「何年経験したら作っていいか」を考える前に、確かめたいことがあります。
そもそも、あなたは何を作ろうとしているのでしょうか。
①その「経験不足」は、何を作るときに困るんですか?
「その分野について教えよう」と考えると、途端に大変になります。

オンライン勉強会なら、企画、集客、当日の進行、トラブル対応まで、全部分かっていないといけない気がしてきます。
そりゃ、簡単には作り始められません。
では、作るものを、こんなふうに具体的にしたらどうですかね。
「初めてオンライン勉強会を開く人が、日時や申込方法を書き忘れずに案内文を作るためのひな形」
ここからは、説明のための仮の制作例として考えてみます。
このひな形を作るために必要なのは、勉強会運営のすべてを知ることではありません。参加する人が何を確認したくなるかを調べ、それが抜けない形にすることです。
開催日時はいつか。誰に向けた会なのか。何を準備するのか。どう申し込むのか。
必要な知識が、かなり具体的になりますよね。
つまり、「経験がないから作れない」と思っていたものの中には、最初から引き受ける範囲を大きくしすぎていたものもあるんです。
まず、次の一文を書いてみてください。
「このコンテンツは、〇〇で困っている人が、△△をできるようにするものです」
「初心者が詳しくなれるもの」では、まだ何を作るか決まりません。「案内文を一本書けるもの」まで具体的にすると、調べることも作るものも選べます。
ただ、範囲を小さくすれば、本やWebで学んだことをそのまま教えていいのでしょうか。
②一冊読んだだけで、人に教えていいんですか?
ここは、読んだ冊数だけでは決まりません。

十冊読んでいても、どの条件で使える知識なのか分からなければ、説明するのは難しいです。反対に、一つの作業について必要な情報を確認し、使い方まで示せるなら、作れるものはあります。
先ほどの案内文なら、まずは書籍や公開されている案内例から、必要な項目を拾ってみます。
ただ集めるだけでは、終わりません。
それぞれの項目について、「参加する人は、なぜこれを知りたいのか」も書いてみてください。
例えば、こんな感じです。
| 案内に入れる項目 | 読む人が確認したいこと |
|---|---|
| 対象者 | 自分が参加してもついていけるか |
| 開催日時・終了予定 | 自分の予定に合うか |
| 準備するもの | 当日までに何を用意すればよいか |
| 参加方法 | 申し込んだあと、どうすれば参加できるか |
調べた情報の出典も、自分のメモに残しておきます。利用するサービスの操作や料金など、変わる情報があれば公式の案内で確かめます。
分からないところは、もっともらしい説明で埋めず、調べるか、今回扱う範囲から外します。
こうすると、勉強の終わりも決めやすくなります。
「この分野に詳しくなるまで」では、いつまで学べばいいか分かりません。でも、「案内文に必要な項目と、その理由を説明できるまで」なら、確認することが見えてきます。
そこで次に気になるのが、「それって、調べたことをまとめただけでは?」という話です。
③「自分はこう思う」を足せば、それで役立つんですか?
知識に自分の考えを加えることは大事です。

ただ、「僕はこれが大切だと思いました」と感想を添えるだけでは、読む人の作業はあまり進みません。
僕も、世界観や物語を前に出す発信を試したものの、まだ僕を知らない人には重くて読まれなかったことがあります。役立つノウハウに寄せると、今度はほかの情報に埋もれました。
「自分の考えを入れる」といっても、何を入れるかが大事なんですよね。
案内文の例で考えてみます。
調べた知識として、「参加方法を明記しましょう」と書いてあったとします。
ここで、初めて参加する人のつもりで案内文を読んでみてください。
「オンラインで開催します」とは書いてあります。でも、参加用のURLがいつ届くのかは書いていません。
申し込んだあとにメールが来るのか。当日の直前まで待っていていいのか。届かなかったら、どこへ連絡すればいいのか。
参加する側なら、そこも気になりませんか。
それなら、ひな形の「参加方法」という一つの欄を、次の三つに分けられます。
- 申し込む方法
- 参加URLが届く時期と受け取り方
- 届かなかったときの問い合わせ先
これが、知識に思考や工夫を加えるということです。
「参加方法を書きましょう」という知識を、初めての人が書き漏らしにくい形へ直しています。
同じ知識を使っていても、「ここで迷いそうだから欄を分けよう」「こちらを先に確認したほうが書きやすい」と考えれば、説明の仕方は変わります。
あなた自身が学びながら引っかかった言葉や、調べ直したことも、その材料になります。
ただし、自分が困ったところが、ほかの人にとっても分かりにくいとは限りません。そのためにも、まず使える見本を一つ作ってみます。
④こんな短いひな形だけで、商品にしていいんですか?
ここで、急に不安になる人もいると思います。

「これだけでは薄すぎる」
「もっと知識を入れないと、お金をいただけない」
そう考えて、勉強会の歴史や集客の理論まで書き始めてしまうんです。
気持ちは分かります。ページが増えると、作った側は少し安心できますから。
でも、案内文を書きたくて開いた人が、説明を何ページも読んだあと、結局また白紙の画面に向かうことになったらどうですかね。
まず作りたいのは、その人が実際に使う部分です。
例えば、こんなひな形です。角括弧の中を、自分の開催内容に合わせて埋めます。
勉強会のご案内
テーマ:[今回扱うこと]
対象:[どんな人に向けた会か・必要な予備知識]
日時:[開催日・開始時刻・終了予定]
開催方法:[使うサービス・参加に必要な環境]
内容:[当日扱うこと]
事前準備:[用意するもの・事前にすること]
参加費:[無料、または金額と支払い方法]
申込み:[方法・締切がある場合はその日時]
参加URL:[いつ・どの方法で受け取れるか]
問い合わせ先:[困ったときの連絡先]
このひな形に、記入例を一つ付けます。迷いやすい欄には、何を判断して書くかも添えます。
例えば「対象者」の欄なら、「初心者歓迎」だけで済ませず、「用語から説明する会なのか」「基本操作はできる人向けなのか」を書けるようにします。
短くても、作り込むところはあるんです。
もちろん、ひな形ができたというだけで、買ってもらえるとは決まりません。無料で手に入るものとの違いや、その人がお金を払ってでも減らしたい手間があるかは、別に確かめる必要があります。
ただ、売るかどうかを考えるためにも、まず見てもらえるものが必要です。
頭の中にある「いつか作る立派な教材」では、使いやすさも、足りない説明も確かめられません。
⑤「分かりやすかったです」をもらえば、完成ですか?
見本ができたら、想定する読者に近い人に使ってもらいます。

ここで、「分かりやすかったですか?」とだけ聞くのは、ちょっともったいないです。
相手も気を使いますから。「いいと思います」と答えてくれても、それだけでは直す場所が分かりません。
案内文のひな形なら、実際に予定している会の内容を入れて、下書きを作ってもらうほうが具体的に確認できます。
見たいのは、次のようなところです。
- どの欄で手が止まったか
- 記入例を見ても、何を書くか分からなかった欄はあるか
- 書き終えたあと、追加で調べる必要があったことは何か
「対象者って、何を書けばいいか分かりませんでした」と言われたら、そこに説明を足します。
「参加方法と申込方法を同じ意味だと思っていました」と言われたら、見出しや記入例を直します。
こうやって確かめると、次に学ぶことも具体的になります。分野全体を勉強し直す必要はありません。相手が止まった部分を調べ、説明を直せばいいんです。
すぐに使ってもらえる相手がいなければ、まずは自分で仮の勉強会の案内文を一本、最後まで書いてみてください。それだけでも、埋められない欄や説明の曖昧さは確認できます。
有料で案内するときは、渡せる内容を具体的に説明します。
今回なら、「勉強会の案内文を作るためのひな形・記入例・書き方の説明」です。「これで必ず人が集まります」まで約束する必要はありません。
自信を大きく見せなくても、買う人が中身を確かめられる説明はできます。
「まだ経験がない」を、何年待つ理由にしますか?
ここまでの作業は、その分野で何年も働いてからでなければ始められないものではありません。

作るものを一つ決める。必要な知識を調べる。読む人が迷うところを考える。見本を作って、使えるか確かめる。
この順番なら、今日から取り組めます。
経験を積むことには意味があります。続けていれば、最初は気づかなかった問題も分かってきます。
でも、最初のひな形を一つ作るために、分野全体のプロになるまで待つ必要はないんです。
経験がないときは、確かめられる範囲を小さくして、作り始めればいいんです。
今日学んだ知識で、誰の、どの作業を一つ助けられそうですか。
まずは、その答えを一文で書いてみてください。そして、実際に使う部分を一つ作ってみる。
次に何を学べばいいかは、その途中でずっと具体的になります。





















