どうも。
商品の案内を書いていると、つい、こんな言葉を入れたくなりませんか。
「焦らなくて大丈夫です」
「無理せず、自分のペースで進めましょう」
相手を急かしたくないし、傷つけたくもない。頑張っている人に、さらに厳しいことを言いたくない。その気持ちはよく分かります。
でも、そうやって丁寧に書いた文章を読み終えた人が、
「で、今の自分はどうすればいいんだろう?」
と迷ったままだったら、ちょっと考えたいんです。
相手が嫌な気持ちにならないように言葉を選んだ結果、判断するために必要なことまで、削っていないか。
商品を必要とする人がいるのに、案内するところで言葉を濁してしまう。今回は、この場面の話です。
①「自分のペースで大丈夫」のあと、何をすればいいんですか?
説明のために、販売ページの作り方を教える教材を例にします。ここからの商品や案内文は、仮の例です。

読者は、自分の商品を売ってみたいと思っています。販売ページも途中まで書きました。でも、公開するのが怖くて、何度も書き直しています。
そこで、売り手がこう伝えたとします。
「焦らなくて大丈夫です。あなたらしい言葉で、少しずつ進めていきましょう」
責められなくて、ほっとする人はいると思います。
ただ、この人が困っているのは、どこまで書けば公開していいのか分からないことです。何を直すべきで、何は後回しにできるのか。その判断がつかなくて、同じ原稿を開き続けているんですよね。
そこに「自分のペースで」と言葉を足しても、次にする作業は決まりません。
むしろ、売り手が一緒に確かめたいのは、こういうことです。
「今、書き直している箇所は、買う人の判断に関係していますか?」
商品の内容や価格が分からないなら、直す必要があります。申し込み方法が抜けているなら、それも必要です。
でも、必要な情報が揃っているのに、冒頭の挨拶を何度も変えているなら、公開をためらう理由は文章以外にあるのかもしれません。
ここまで聞くと、少し耳が痛いですよね。
売り手も言いにくいと思います。「上から目線だと思われそう」「責められたと感じるかも」と考えて、結局「大丈夫ですよ」に戻したくなります。
でも。
相手への配慮の中に、自分が悪く思われたくない気持ちも混ざっていないか。ここは、一度確かめたほうがいいと思うんです。
では、優しい言葉をやめて、厳しく言えば解決するんですかね。
②「今のままでは手遅れになります」は、何を根拠に言っていますか?
「行動しない人には、危機感を持たせたほうがいい」

そう考えると、今度は言葉を強くしたくなります。
「今のままでは手遅れになりますよ」
「いつまで準備を続けるつもりですか」
ただ、その「手遅れ」が、いつ、何についてなのか説明できないなら、判断材料は増えていません。不安だけを増やしています。
先ほどの読者に伝えられる現実は、もっと具体的です。
販売ページを下書きのまま誰にも見せていなければ、買いたい人がいるかどうかは、まだ確かめられていません。言葉を直し続けても、相手からの反応は返ってきません。
だから、こう伝えられます。
「今は、商品が売れないと分かった段階ではありません。案内を見てもらう前で止まっています。必要な情報が揃っているなら、一度案内して、質問や反応を確かめるところまで進めてみませんか」
これでも、十分に厳しい話です。
案内しても、買われないことはあります。「準備が終わっていないから」という理由を残しておきたい人には、怖い提案です。
売れなかったら、自分の考えが間違っていた気がする。頑張って作ったものを無視されたら、立ち直れない気がする。だから、原稿を直す作業を続けたくなる。
その怖さを理解したうえで、「見せなければ、必要とされているかは分からない」と伝えるんです。
僕が必要だと思う厳しさは、こういうものです。相手が避けたくなる事実を、本人も確かめられる言葉で伝えることです。
ただ、読者にそこまで言うなら、売り手の側にも言わなければいけないことがあります。
③買ったあとに知ったら困ることを、先に言えますか?
「行動しましょう」と勧める側が、その行動に必要な負担を伏せていたら、困りますよね。

教材を買えば、すぐに販売ページができると思っていた。ところが開いてみたら、自分で商品の内容を整理し、例文を書き換える作業が必要だった。
しかも、個別に添削してもらえると思っていたのに、その対応は含まれていなかった。
これでは、買う前に判断できません。
僕は以前、飲み代について、あとからとんでもない金額を提示されて腹が立ったことがあります。ちゃんと先に金額を言ってくれよ、と思ったんですよね。
商品を案内するときにも、先に伝えたいことがあります。価格に加えて、使うために必要な作業や、対応できる範囲です。
先ほどの仮の教材なら、こう書けます。
「例文をそのまま使えば完成する教材ではありません。誰に何を届けるかを整理し、ご自身の商品に合わせて書き換える作業が必要です。個別添削と集客方法の解説は含みません」
これを書くと、買わないと決める人も出てきます。
「そこまで作業するつもりはなかった」
「自分には個別添削が必要だった」
そう判断されたら、目の前の売上は逃します。売り手としては、ここが痛いんです。
だから「初心者でも安心」「無理なく進められます」と、良さだけを伝えたくなります。
でも、相手には現実を見てほしいと言いながら、売り手が購入後の負担を曖昧にしていたら、話が合いません。
耳の痛いことを言う覚悟には、買ってもらえない覚悟も含まれます。
そこまで引き受けて初めて、厳しい言葉を相手のために使えると思うんです。
では、実際の販売文では、何をどう書けばいいのか。次は、そこを具体的にしてみます。
④優しい案内文を、どう直せば判断してもらえるんですか?
次に商品の案内を書くときは、「もっと強い言葉にしよう」と考える前に、次の三つを順番に書いてみてください。

1.相手が止まっている場面を、一つに絞ります
「なかなか行動できない方へ」だけだと、何に困っている人なのか分かりません。
「販売ページは途中まで書けているのに、公開が怖くて、冒頭の文章を何度も書き直している方へ」
ここまで書くと、扱う問題がはっきりします。
実際に受け取った質問や相談があるなら、その言葉から確かめてください。分からない内心を、売るために決めつけないことも大切です。
2.そのままでは確かめられないことを伝えます
先ほどの例なら、「誰にも案内していないので、買いたい人がいるかは分からない」です。
ここに、「一生売れません」「今すぐ変わらないと終わりです」と話を広げる必要はありません。
今している作業で何が分かり、何は分からないのか。それを説明するだけでも、次の行動を考える理由になります。
3.必要な作業と、商品が助ける範囲を一緒に示します
「この教材で変われます」では、買ったあとにすることが見えません。
「商品の対象者、内容、価格、申し込み方法を整理して、販売ページを仕上げます。例文を書き換える作業は購入者自身で行います」
ここまで書けば、何にお金を払うのかを判断できます。
三つをつなぐと、たとえばこうなります。
販売ページを途中まで書いたものの、公開前の書き直しが続いている方へ。下書きのままでは、買いたい人がいるかを確かめられません。この教材では、対象者、商品の内容、価格、申し込み方法を整理し、案内ページを仕上げます。ご自身の商品に合わせて例文を書き換える作業が必要です。個別添削を受けたい方や、完成品をそのまま受け取りたい方には向いていません。
これを読んで、「今の自分に必要だ」と思う人も、「今回は違う」と思う人もいます。
そのどちらも選べるところまで、判断材料を渡すんです。
「あなたなら大丈夫です」と励ますだけでは、引き受けきれなかったところまで、説明する。僕は、こういう伝え方に誠実さがあると思っています。
もちろん、休む必要がある人に、無理に行動を勧める必要はありません。今は買わずに、自分で試したほうがいい人もいます。
そのうえで、変えたいと思っている人に対して、変えるための作業まで曖昧にしない。怖い気持ちには寄り添いながら、避けて通れないことは伝える。
「冷徹な愛」という言葉を使うなら、僕はそこまで含めたいんです。
商品を売るとき、感じよく思われたい気持ちは、どうしてもあります。
でも、読者が決めたいのは、あなたをいい人だと思うかどうかだけではありません。自分に必要な商品なのか。買ったあと、何をするのか。その作業を引き受けられるのか。
そこに答える言葉は、ときには厳しくなります。
次の販売文では、「大丈夫です」と書いた箇所を一つ選んでみてください。そして、何が、どんな条件で大丈夫なのか、相手にはどんな作業が必要なのかを書き足してみる。
相手の人生を大切にしたいなら、相手が決められるところまで、具体的に伝えてほしいんです。






















