どうも。
例えば、教材に書いてある通り、毎日リプを回っているとします。
インフルエンサーの投稿を見つけて、「勉強になります!」と送る。相互フォローの人には、「素晴らしいですね!」と返す。本当は特に何も思わなかった投稿にも、何か褒めるところを探して返信します。
通知は増えました。フォロワーも少し増えました。
ところが、自分の商品を紹介すると、反応が止まってしまうんですよね。
またスマホを開いて、誰かの投稿を褒める。そのうち、「自分はこんなことをするために、ビジネスを始めたんだっけ」と思ってしまいます。
ここで「交流を楽しみましょう」と言われても、困りますよね。楽しめないことが問題にされると、売れないうえに、性格まで直さなければいけない話になってしまいます。
でも、まず確かめたいのは、あなたの愛想ではありません。
そのフォロワーは、何を受け取りたくて、あなたをフォローしたんですか?
①その「いいね」は、あなたの何に返ってきたんですか?
こちらが相手の投稿を褒めたら、「ありがとうございます!」と返ってきた。相手もこちらの投稿にいいねをくれました。

このやり取りで確認できたのは、お互いに反応を返した、ということです。
あなたの説明が役に立ったのか。商品で扱っている問題に困っているのか。お金を払ってでも解決したいのか。そこまでは、まだ分かりません。
別の場面を考えてみます。
仕事の見積もりを出すたびに値引きを求められ、断れずに困っている人がいます。その人が、あなたの「値引きを頼まれたときの返信文」を見つけました。次の依頼でも使いたいと思って、フォローしました。
同じ一人のフォロワーでも、こちらは受け取りたいものが具体的です。
前者は、あなたが反応してくれたことに返しています。後者は、自分の仕事で困っていることを、あなたが扱っているから読みに来ています。
反応を返してくれる人が増えたことは、商品を買う理由が伝わった証拠にはなりません。
もちろん、交流をきっかけに商品を買う人もいます。ただ、それは交流の中で必要なものを見つけたり、説明を読んで納得したりしたからです。「いいねを返してくれた」だけでは、そこを判断できないんです。
ここを混同すると、売れない理由の探し方まで変わってしまいます。
商品の見本が足りないのに、「交流が足りない」と考える。対象者が曖昧なのに、「もっと名前を覚えてもらおう」と考える。
そうして、買う理由を説明する時間が、さらに誰かを褒める時間へ変わっていきます。
しかも、この集め方には、もう一つ厄介なことがあります。人が増えているのに、商品を紹介するのが怖くなるんです。
②販売を始めた途端、なぜ「嫌われそう」になるんですか?
毎日、相手の話に合わせて、「いいですね」「さすがですね」と返していたとします。

その関係で、自分の商品を紹介しようとすると、急に気まずくなることがあります。
「今までの返信も、売るためだったと思われないかな」
「せっかく仲良くなったのに、宣伝したら嫌われないかな」
実際に誰かから言われたわけでもないのに、告知文を消したり、値段を伏せたりしてしまうんですよね。
気に入られることを優先して関係を作ってきたので、相手が喜ばない可能性のあることを言いにくくなっています。
だから、商品を売るために始めた交流が、商品を売らないための配慮へ変わってしまいます。
しかも、自分から反応するのをやめたら、相手からも反応が来なくなる気がします。自分の投稿を書く前に、相手の投稿を確認する。返信を忘れていないか、気にする。
これでは、集客の作業が終わっても、頭が休まりません。
僕も会社員の頃、実力より上司へのおべっかで評価が決まる会社にいました。おべっかの上手な後輩が上司になり、偉そうにしてくる。一方で、僕は一つのプロジェクトを一人で回して、必死に働いていたのに、まったく相手にされませんでした。
ああいう会社にはもういられない、と思いました。
そんな経験があるので、ネット上でも「まずは相手に気に入られるために頑張りましょう」とは、簡単に言いたくないんです。
人に丁寧に接することは大事です。ただ、思ってもいないことを褒め続ける作業まで、商売の前提にする必要はありません。
では、リプ回りをやめたら、何をきっかけに自分を見つけてもらえばいいんでしょうか。
③媚びるのをやめたら、何を読みに来てもらうんですか?
ここで「良い発信をしましょう」と言われても、何を書けばいいのか分かりませんよね。

まず決めたいのは、読者の肩書きよりも、その人が今、言葉に詰まっている場面です。
ここからは、文章制作の仕事を一人で受けている人を対象にした、仮の例で考えてみます。
「フリーランスの役に立つ発信をする」では、まだ広すぎます。
例えば、
「見積もりを出すたびに『もう少し安くなりませんか』と言われ、同じ作業を安く請けてしまう人」
まで具体的にしてみます。
この人に、今日必要なのは、「自信を持ちましょう」という励ましだけではありません。値引きを求められたメールに、何と返せばいいかです。
なら、投稿はこう書けます。
「もう少し安くなりませんか?」と言われたとき、同じ作業のまま金額だけ下げていませんか。
文章作成の見積もりなら、値段を変える前に、ページ数と修正回数を確認してみてください。
返信は、例えばこうです。
「ご予算に合わせる場合、ページ数か修正回数を調整する形で対応できます。どちらを優先されますか?」
金額を変えるなら、減らす作業も一緒に決めます。すでに条件を約束している場合は、その内容を確認してから相談してください。
これで受注できるかは、相手の予算と必要な条件次第です。条件が合わず、受けない判断になることもあります。
ただ、少なくとも読者は、次に何を確認し、どう返事をするかを考えられます。
「すごい人ですね」と思ってもらうための投稿ではなく、見積もりの返信に困った日に、もう一度開ける投稿になっています。
僕は、こういう具体性を、発信の「エッジ」として作りたいんです。
「媚びる発信なんてダメだ」と強く言っても、それだけでは読者の仕事は進みません。言葉の強さより、「自分が今困っている場面を、この人は扱っている」と分かることのほうが、読む理由になります。
プロフィールも、その約束に合わせます。
一人で文章制作の仕事を受ける人へ。見積もり・値引き・追加修正の返し方を、使う場面と文面で解説しています。
固定投稿には、代表的な返信例と、詳しい説明へのリンクを置きます。投稿の見出しにも、「見積もり」「値引き」「返信」など、困っている人が探す言葉を入れます。
「よろしくお願いします」としか書いていないアカウントより、何を読める場所なのかが分かります。
誰にでも好かれるために話題を広げると、困っている本人に必要な説明が薄くなります。まずは、その人が返信に迷う場面を続けて扱ってみる。
でも、ここまで無料で答えを渡したら、有料の商品は必要なくならないんでしょうか。
④無料で解決してしまったら、何にお金を払ってもらうんですか?
投稿の返信文だけで解決した人には、その場で商品を買う必要はありません。

ここを無理に売ろうとして、肝心の文面を伏せると、「結局、宣伝だったのか」で終わってしまいます。
ただ、実際に返信しようとすると、別の問題が出ることがあります。
「修正回数をそもそも決めていなかった」
「ページ数を減らしたら、どこまで料金を変えればいいんだろう」
「追加の作業を頼まれたとき、また同じことで困りそう」
一つの返信文を使ったからこそ、自分の取引条件を決める必要が見えてきます。
先ほどの仮の例なら、有料の商品は、自分の見積もりを作れる記入シートと、条件に応じて選べる返信文をまとめる設計が考えられます。
例えば、使う順番をこうします。
- 作るもの、納期、修正回数、追加料金が発生する条件を記入する。
- 記入した条件を使って、見積もりの案内文を作る。
- 値引き、追加修正、予算が合わない場合の文面を選び、自分の条件に合わせて直す。
投稿では、今日来た値引きのメールに答えます。商品では、次の依頼から条件を決めて提示できるようにします。
この違いがあるなら、販売ページでも「便利なテンプレート集です」で済ませず、何を記入し、どんな文面ができるのかを、見本で説明できます。
読者が確かめたいのは、あなたが毎日どれだけ愛想よくしていたかではありません。
自分の仕事にも使えるか。今の困りごとを扱っているか。値段に見合う手間を省けるか。その判断に必要な材料を渡すんです。
無料で役に立った内容と、有料でできるようになることを、同じ困りごとでつなげます。
これなら、集客と自尊心を、どちらか一方だけ選ぶ話にしなくて済みます。相手に合わせて自分を小さくする代わりに、相手の仕事を具体的に理解して、必要なものを作れます。
ただ、発信をこう変えると、以前よりいいねが減ることもあります。
そのとき、またリプ回りへ戻りたくなったら、何を見て判断すればいいんでしょうか。
⑤いいねが減ったら、やっぱり失敗なんですか?
反応が減ると、不安になりますよね。

時間をかけて増やしたフォロワーもいます。「ここまでやったのに、無駄だったのか」と思いたくない気持ちもあると思います。
でも、いいねが減っただけでは、改善とも失敗とも判断できません。
同じように、いいねが増えただけでも、集客が進んだとは判断できません。
販売を目指すなら、次のような反応も見てください。
- 「今、まさにこのことで困っています」と、具体的な場面が返ってきたか。
- 「この条件でも使えますか」と、使い方の質問が出たか。
- 商品の見本や、価格、提供条件を確かめる人がいたか。
これらも購入の保証ではありません。ただ、お返しのいいねより、何を必要としているかを確かめる材料になります。
次の一週間は、自分に合わないおべっかのリプ回りに使っていた時間を、一つの困りごとを扱う投稿へ回してみてください。
明日、SNSを開く前に、メモへこう書きます。
「誰が、どんな場面で、何と言えずに困っているか」
その場面に対して、そのまま使える文面か、確認する順番を一つ書きます。プロフィールと固定投稿も、同じ人に向けた説明になっているか確認します。
週末には、反応の数だけでなく、何について質問されたかを残してください。
投稿がほとんど見られていないなら、届いていない段階です。見出しや扱う場所を見直します。それだけで「需要がない」とは判断できません。
投稿は読まれているのに商品が買われないなら、見本、対象者、提供範囲、価格を確認します。そこで「もっと褒めに行こう」と戻ってしまうと、買われない理由がまた分からなくなります。
今いるフォロワーを切ったり、過去の交流を全部否定したりする必要もありません。これから何を読めるアカウントなのかを、具体的な投稿で伝えていけばいいんです。
誰かに愛想を振りまくのがつらいからといって、商売に向いていないと決めるのは早いと思います。
その人が今困っていることを見つけて、次に送る一通を一緒に考える。そういう接し方なら、できる人もいます。
「この人に気に入られるには、何と返信すればいいか」ばかり考えていた時間を、「この人が次の見積もりを出せるように、何を説明すればいいか」に使ってみてください。
自分を嫌いになることまで、商売の必要経費にしなくていいんです。






















