The Alchemist's Laboratory ― 君が隠してきた失敗が、一番高く売れる。
凡人再起動ログ 全10話・完結

K.藍沢が、二度ゼロから立ち上がるまでの全記録。転んで、また立った、不格好な足跡の話だ。

転落① 転落② 上昇① 上昇②
二度の転落二度の上昇 2度目は、もっと深く。そして、もっと高く。
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順番は自由。気になった扉から、どうぞ。
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「商品はバックエンドから逆算」で正しい。ただし、“お金”を逆算した瞬間に終わる

商品を、バックエンドから逆算して設計する。この順番で合っているのか——そこで手が止まっている君へ。先に言うと、逆算という考え方そのものは正しい。ただ、逆算する「軸」を一つ間違えると、その商品ラインは丸ごと、読者から搾り取るだけの装置に変わる。分かれ道は、そこにある。

逆算はバックエンド起点で、順番としては正しい

まず、君の方向は合っている。商品は一番深いところ、バックエンドから先に決めるのがいい。

理由はシンプルで、バックエンドは「君が読者をどこまで連れていけるか」のゴールだからだ。ゴールが決まれば、そこへ至る入口も最初の出会いも、逆算で自然に決まっていく。

逆に、そのゴールを決めないまま入口から作り始めると、途中の段は全部あて推量になる。一番大きな賭けどころを空欄にしたまま走ることになるんだ。だから、まず深いゴールを一つ決める。それだけで、迷子にならずに済む。

入口だけ作って消耗する人は、たいてい、この一番大きな山を最初に決めていない。だから途中で、何を売ればいいのか分からなくなる。

  1. 1

    オプトイン

    まず無料で出会う。まだ名前も知らない段階だ。

  2. 2

    フロントエンド

    小さく試してもらう。「いいかも」が芽生える。

  3. 3

    ミドルエンド

    もう一歩深く。「ついていきたい」に変わる。

  4. 4

    バックエンド

    一番深く伴走する場所。ここを、先に決める。

設計はゴール(4段目)から引くのに、読者の体験は1段目から積み上がる。下から順に君を知り、信じ、深入りしていく。この「設計は上から、体験は下から」のねじれが、面白いところだ。

つまずくのは、値段の階段を先に引いた時だ

ここで、ほとんどの人がつまずく。逆算する軸を、いつのまにか「金額」にしてしまうんだ。

5千円、3万円、30万円。値段の階段を先に引く。すると各段の役割が「次の段を売るための入口」に変わっていく。フロントはミドルを売る撒き餌、ミドルはバックを売る撒き餌。

その瞬間、商品は読者を一段ずつ上へ「移動させる装置」になる。届けることより、上げることが目的になる。読者は、そういうのをすぐ見抜く。

だから、値段を決める前に置くテストが一つある。「この段を単品で売っても、客は満足するか?」だ。各段は、それ単体で客が満足できるほど中身が強くなきゃいけない。これは僕が自分の商品で、値段より先に必ず通すテストだ。

これは他人事で言ってるんじゃない。僕自身、完璧なマーケティングに乗せられて「一生に一度」だと思い込み、それなりの金を払って買ったことがある。封を開けた瞬間、中身がスカスカだと分かった。あの時の、腹の底が冷える感じ。今でも「誰でも簡単に稼げる」の広告を見ると、胃の奥が同じ温度でざわつく。

単品で満足を返せない段は、結局それと同じだ。次を売るためだけの撒き餌でしかない。しかも客は、そういう段をすぐ見抜く。見抜かれた瞬間、その撒き餌は売り手にとっても機能しなくなる。

憎んでいるのは人じゃなく、中身を追い越す売り方だ

誤解しないでほしいんだけど、僕は撒き餌を売る人間そのものを軽蔑しているわけじゃない。

机の上に開いた商品ページと、封を開けた箱を静かに見ている場面
「これはすごい」と煽る売り文句ほど、開けてみると中身が薄い。逆になっていないか、といつも思う。

「誰でも」「簡単に」「自動で」——この手の言葉には、人の弱さにつけ込む臭いがする。だから僕は、そういう商品を作らないと決めている。ただ、昔そういう情報を高く売っていた人間と、今は同志として一緒にやっていたりもする。憎いのは人じゃない。マーケティングが中身を追い越していく、あの構造のほうだ。

この線引きは、そのまま商品設計の話に戻ってくる。人を疑う前に、自分の組んだ階段が「届ける形」か「搾り取る形」か、そこを見ればいい。

値段の前に、各段の「before→after」を書き出す

じゃあ具体的に、今日30分で何をするか。順番はこうだ。

  1. 1

    バックエンドの before→after を1文で書く

    一番深く連れていける到達点だ。例:「◯◯で止まっている人を、3ヶ月で自走できる状態まで」。

  2. 2

    各段の「単体で完了する」before→after を1行ずつ

    フロント・ミドル・バックそれぞれ、その段だけで誰のどの状態をどこまで動かすかを書く。

  3. 3

    各段に「単品で売って満足するか?」を問う

    NOの段は撒き餌だ。次を売る役割しか持っていない。そこは作り直す。

  4. 4

    値段は、ここで初めて置く

    金額から引くんじゃない。各段が起こす「変化の深さ」に、後から合わせる。

順番が逆なんだ。ふつうは値段を決めてから中身を詰める。そうじゃなく、各段が起こす変化を先に確定させて、値段はその深さに後から合わせる。これで、撒き餌の段が構造として生まれなくなる。

逆算するのは、いくら取るかじゃない。各段が単体で、どこまで人を動かすかだ。

よくある不安

Q. 結局、バックエンドから逆算でいいんだよね?

いい。順番はそれで正しい。一番深く伴走する場所を先に決めて、そこへ入口を逆算する。間違えちゃいけないのは「軸」だけだ。値段の階段じゃなく、各段が単体で満足を返す形で組む。

Q. 高いバックエンドを持つのは、ぼったくりみたいで抵抗がある…

値段そのものは悪じゃない。目安だと、フロントは数千円〜3万円くらいの「迷わず試せる」帯、バックエンドは30万〜50万、内容しだいで百万台まである。深く伴走するほど、こちらも時間と本気を注ぐ。その段が単体で約束を果たし切るなら、客は払ったぶんの満足を受け取れる。それは搾取にならない。

設計の順番で立ち止まれたのは、君が「ちゃんと届く形にしたい」と思っているからだ。今日はまず、バックエンドの一文から書いてみてくれ。その一行が書けた時点で、君の商品ラインは「各段で満足を受け取れる形」に変わり始める。撒き餌はどのみち見抜かれる。最初から単品で満たす方が、君にとっても得なんだ。

誰にも気づかれない夜の、君へ

AIに書けるものは、これから一番安くなる。
君の生き様は、これから一番、値がつく。

機能で消耗する時代は、静かに終わっていく。武器になるのは、何度もコケて、それでも続けてきた、君の生き方の方だ。それは作るものじゃない。もう、君の中に埋まっている。

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