売るために、自分を売り込まなくていい。|無言起業

信頼構築

選ばれて人が集まる導線

出す前に疲れているなら、外せるのは「映るための作業」のほうです

最後にネットで何かを買ったとき、その人が撮影にどんな用意をしたかを、あなたは知っていたでしょうか。買う側からは見えていません。ところが作る側に回った途端、その見えない部分がいちばん先に出てきます。一本出すまでにやることを八つ並べると、中身を決める作業と、自分が映るための作業が混ざっています。この二つは終わり方が違います。中身は決めれば終わる作業ですが、映るほうは「よくする」作業で、「よくなった」はあっても「もう十分よくなった」がありません。だから時間をいくらでも吸い込みます。照明を足して下げて、シャツを替えて戻して、半日。まだ何を話すかは一文字も決まっていない——その半日で渡せるものは増えていません。顔は信用の材料の一つですが、材料はほかにもあります。顔を出す人を否定する話ではありません。出演の作業だけを外した形で、一本だけ出してみる話です。

売り込まずに売る導線

「顔出ししないと売れない」の顔は、何をしているのか

「顔出ししないと売れない」という言い方をよく見かけます。ただ、「顔が出ているから売れている」と「売れている人の中に顔を出している人が多い」は、同じことを言っていません。この記事では、顔が一度に引き受けている仕事を5つに分けました。目印になること、人柄が伝わること、本当にいる人だと思ってもらうこと、説明すること、その場で質問に答えること。そのうえで、それぞれを顔以外の何で立てられるのかを見ていきます。大事なのは顔を消す方法を探すことではなく、顔が引き受けていた仕事を別のもので実現すること。そう置き換えると、「顔出しできないから無理」ではなく「この部分は何に置き換えられるか」という問いに変わります。ただし置き換えたぶんは別のところで払うことになりますし、奥にある知識・判断・約束・責任は置き換えがききません。

凡人の心の立て直し方

理解はこちらから動かせない。動かせるのは信頼のほうです

「分かってもらえない」という疲れ方をしている人は、たいていサボっていません。よく書いているし、よく説明もしている。それなのに頑張った量に比例して削られていく。理解というのは相手の家の中にあるスイッチで、こちらは玄関の外に立っているからです。呼びかけることも、荷物を置いていくこともできる。でも上がり込んで押してくることはできない。一方で、理解が無くても成立するものがあります。信頼です。そしてこちら側から積めるのは、こっちのほうだけ。二〇一三年、師匠にあたる人からのメールに二分以内で返すと決めていた頃の話と、会ったこともない人から届いた長いメールの話を通して、押せない場所を押し続けるのをやめる、という話をします。

読まれる文章の書き方

議論に勝つと、正しさだけが手元に残ります

ネットで誰かが誰かを訂正している場面は、たいてい訂正している側のほうが正しい。それなのに、訂正された側が考えを改める場面はほとんど見ません。人は、内容が正しいかどうかで相手を避けるかどうかを決めていないからです。決めているのはもっと手前で、この人と関わったあとに自分の値打ちが下がった感じがしたかどうか。だとすると、議論に勝つというのは相手の値打ちを削る行為とほとんど同じことになります。ただし、だから断定をやめろという話ではありません。変えるのは強さではなく、削る先です。同じ強さで言い切っても、刃を読者本人に向けるか仕組みに向けるかで、敵ができるか仲間ができるかが分かれます。

凡人の心の立て直し方

詳しくないのに教えていいのか、という止まり方について。

「自分は詳しくないのに、人に教えていいのか」——発信を始めたい人が最初に止まるのは、たいていここです。でも「詳しくない」は必ず何かとの比較で出てくる判定で、しかも比べる相手はたいてい、その分野の一番上。読み手が探しているのは日本一詳しい人の話ではなく、今日の困りごとが片づく話のほうです。それに、本当に怖いのは知識の量ではなく「質問されて答えられない場面」でしょう。僕も昔は「知らない」と言うのが怖くて知ったかぶりをしていて、ある夜そこできれいに転んでいます。信頼は知識の量ではなく、分からないときに分からないと言えるかどうかのほうに貼りついている。そういう話です。

売り込まずに売る導線

売れなかった理由は、あなたの頭の中には無い

募集をかけたのに売れなかった。その原因を、静かな部屋で一人で考えていませんか。売れなかった理由は売った側の頭の中には無く、買わなかった人の中にしかありません。ほとんど誰もやらない「買わなかった人に聞く」を、誰に聞くか・何と聞くか・返ってきたものをどう扱うかまで、5つの手順で渡します。